アイテム課金のアプリを出すと、必ずといっていいほど出てくるのがレビュー荒らし愛好家ですよね。
「守銭奴の糞アプリだ」というようなネガティブキャンペーンをはられちゃいます。
「面白いと思った人だけ課金してください」というスタンスは彼等には理解されません。







レビューが怖いから私たちは課金をするのに臆病になります。
もうしわけなさそうに課金メニューを売ろうとすると「だったら売るんじゃねえよ」という罵倒の隙を与えてしまいます。


どうやら高付加価値の課金メニューを売るのはよろしくないようです。
すぐに無くなるような消費アイテムを何十回とまわしたり、 何個も揃えなくては意味の無いアイテムを揃えてもらう方がいいっぽいです。

そしたらバンバン、ログインインセンティブなどでばらまけますよね。
そうすると、消費することに抵抗がなくなり追加購入することにも抵抗がなくなるわけです。

大盤振る舞いのイメージが先攻するのでクレームのスキがなくなります。
守銭奴というようなものなら、ヘビーユーザが「お前こそこんなに石を貰って全部使ってもクリアできないクズだ」と言える空気をつくればいいことになります。


他にも課金の罠はたくさんあります。
アプリ個別の事象を一般化することはなかなか難しいですが、
設計の段階では、おおよそ次のことに気をつければいいと思います。




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【課金の罠】

1.マイナス要素による離脱
かつて、モバゲータウンは、怪盗ロワイヤルを発表したとき、 ユーザ同士のアイテム奪い合いをさせて、そこに課金ポイントを作りました。 
ゲーム業界的にはマイナス要素に課金ポイントを作るのは御法度らしく、ロワイヤルは斬新すぎましたが、何故かこのやり方が通用しておりました。
でも業界が成熟するとユーザ離れがおこり、グリーが徹底的にマイナス要素をなくしたゲームを出して、この潮流は消えたと言われております。
iPhoneユーザは、タダでさえ課金に敏感であるから、はじめから後者を選ぶ方が得策といえましょう。



2.課金の前にゴールについてしまう
多くのiPhoneアプリ開発者はまさか自分のアプリにヘビーユーザがつくとは思わないようです。
単純操作が流行っていることを受けて「ライトユーザ」と決めつけちゃうからです。
単純操作でもずっと使い続けてくれるのはヘビーユーザでしかありません。
そもそもライトユーザとはすぐにそのアプリをすぐに捨ててしまうひとです。

こういう開発者たちが陥いりやすいのが、課金の前にゴールについてしまうという罠になります。
「タダ」でもプレイできるということと、 「タダ」でもゴールできてしまうということは、同義ではありません。

ソーシャルゲームでは、ユーザは一万円単位でお金を払います。
そのつもりで一万円分のポイントを買ったら、千円分も使わずにゴールしてしまったというのが起こっちゃうのです。

多くのiPhoneアプリ開発者はヘビーユーザの相場観を知らないようです。クレーマーに怯えるとそうなっちゃうようです。
すぐに悪態をついて消えてしまうユーザばかりに気をとられてしまってるのは勿体無い話です。

ヘビーユーザを知れば、奥行きのあるアプリを作れます。
自分のアプリのヘビーユーザになってみればわかります。
おそらく自分がすぐに飽きていると思います。
これはiPhoneアプリ開発者全員が自問自答すべき課題であります。



3.情報弱者から大金か、皆から少しずつか
パズル&ドラゴンというゲームが市場に出たとき、 単純ゲームと繰り返すだけでダンジョンをクリアしていくという新しいスタイルに業界は騒然としたようです。
今までカジュアルゲームは課金できないという理屈が通っており、それをソーシャルゲームのように展開しちゃいました。
このゲームは、今までのソーシャルゲームのようにほんの数%の人に何十万円を使わせるという売上げ構成ではなく、数十%の人に85円を買わせたと言われております。
まるでアングリーバーズの無料版から有料版に以降するように、 多くの人が課金に妥当性を見いだしたのです。

一人あたりの売上げが高いゲームは、よりマニアックな題材でマニアックな課金性癖を作り出すそうです。
この人たちは情報弱者のように、サーバからお金を効率よくむしりとられました。

でも「情報弱者」という言葉は知らない人が侮蔑気味に遣いますが、彼らはゲームのプロなわけです。
どのアイテムを買うとどういうメリットがあるということを熟知してます。
購入の必然性、つまりゲームの達成感とそれに対する費用対効果を 妥当とを感じたときに購入するわけです。
よほどのノウハウがないと一人からたくさんのお金をいただくビジネスはできません。


グローバルに目を向けると、テンプルランのような低アープ路線がビジネス的に成功しているようです。
少ない金額だけどより多くのユーザからお金をいただくという方向を探る方が、多くのiPhoneアプリ開発者にとっては自然といえるかと思います。



4.課金ユーザと非課金ユーザのバランス
課金ユーザは多くの非課金ユーザがいるから成り立つという側面があります。
非課金ユーザをいかに出し抜きたいかというところに、選民意識を感じるわけであります。
その上で課金ユーザ同士の争い劇が演じられております。
お金を出さないユーザを、お金を出さないからという理由ではじいてはなりません。
大切なエキストラをも熱中させて、はじめて生態系が作られるわけです。



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