尊敬している先輩投資家がいみじくも「シナジーという言葉を出す奴は信用できない」と言いました。
結果的にシナジーがあったとしても、それを意図的に最初から組み込むことは難しいということでした。


確かにリクルートは同じようなノウハウを複数の業種で展開しておりますが、同じ営業リソースや同じ顧客資産を使えたとも思えません。
社風と事業が体質的にマッチしていたというのはあるとは思いますが、事業を立ち上げた人はそれなりにご苦労をされたことと思います。








「100年後も続く企業を目指します。」という起業家がたまにいます。その言葉の裏には「環境の変化に合わせて業態をあわせられるよ」といった自信があるのでしょう。
しかしながらIBMやアドビ、GEのような業態を変えて生き残っている会社は数えるほどでしかなく、日本のように200年以上続いている会社のほとんどは業態を変えていません。


日本橋や銀座など、江戸時代に集まってきた商人の末裔たちは貸しビル業を代々続けています。
それは時代の変化にあわせて業態を変えてきたというよりも「なるようになった」だけのような気がします。


もし、グリーの田中さんが楽天に居続けていたら、SNSサービスを作れたでしょうか。
そしてゲームプラットフォームに変えて成功してたでしょうか。
飛び出した方が早そうですね。


こんなことを考えると身をおく環境が大事なような気がします。
そしてその環境を選ぶ判断力も重要かと思います。


新しいことを考えても、周りに理解者がいないとなかなか新規事業が立ち上がりません。
またその自分ですら、今までの経験からの常識に囚われてしまいます。


だからこそ、外に飛び出して自由な感覚を得て起業する人が現れるのでしょう。
しかしながら、その起業家が成功したとしても今度は新しい別の「常識」に囚われることになります。
事業を作るひとは最初の数人で、何百人の事業を回す人が空気を支配するからです。


新規事業のサービスの受容者である未来の顧客にとっては「会社の枠組み」とかどうでもいいわけです。
100年続けたかったら「やれば」って感じですし、他のサービスとの「シナジー」とかもどうでもいいわけですね。
「未来の顧客」と書きましたが、その人たちはいま「ナウ」で「時代の変化」によって困っているわけです。


fig_fb_pc





「まず自社のことを考える」ような考え方そのものが、顧客にとっては「どうでもいい」わけであります。
だから「100年」とか「シナジー」とかいった言葉に虫唾が走るわけですね。


新規事業は「会社の枠組み」を超えた超党派で作るのが一番だと思います。
古き良きビジネスを続けたい人たちには「孫の代まで続けてください」って感じです。



【1話から読める20話完結のステップメール】
「なんとかサービスはまわっているんだけど、劇的に利用者が伸びない」
「リアルのビジネスをしているんだけど、ITを駆使して集客を改善したい」
読者登録フォーム
お名前(姓名)
 
メールアドレス