芥川さんが起業したのは2003年、もう12年になる。
「粋な勉強会」に通うようになったのは2008年だから、その時点でも創業5年だ。


転機が訪れたのは2011年。創業してから8年たっていた。
若手起業家と集まる会で、「JTやめる」宣言をしたことだった。

JTとは「受託開発」のことである。

まわりの若手起業家が1円も稼いでないのに、大きなことを言っている。
その中には2年後に15億円で売却したノボットの小林さんもいた。

こういう人たちに囲まれて自分も何か決断しなくちゃいけないと思って思わずこぼれた言葉が「JT脱却」だった。

そして作り上げたが電子チケッティングサービス「イベレボ」だった。

もともと社員もスタートアップ的なことにあこがれて自社サービスを作りたいと言ってたわけだが、
開発当初は「受託脳」からの脱却が難しかったという。

受託脳とは納期と仕様がきまらないと、プログラムがたたけないという病のことである。
とりあず進むということができないのである。

サービスリリース後にサムライインキュベーションから出資をうけ、
翌年の2012年にもインキュベートファンドから出資をうけている。

そのときはじめて事業計画を書いたという。

自社サービスを出して社長である自分も社員も劇的にかわったそうだ。


2011年までは、有名企業が会社のある上尾までやってこなかったし、
有名企業が自社サービスを使うということもなかったし、
すべての行動・戦略はゴールから逆算ということも知らなかった。


ゴールを明確に認識すればするほど成功確率があがり、成功までのスピードがあがるということも知らなかったと語った。
そして一番大事なこと、「急成長市場」「急成長企業」の乗っかることが重要だと。

2003年に「ブルーオーシャンサミット」みたいな場所があれば、もっと早くそれに気づけただろうとも語った。


現在、Atndをはじめ、ピーティックスやイベントレジスト、ティクシィなど、競合が乱立している。

「競合は正直うざい」という。

ただ競合が生まれ、競合が元気がいいということは、
いい状況にポジショニングできている。
つまりトレンドに乗れているということの証明といえる。

「市場形成期の競合というのはむしろ愛すべき相手だ」とも言った。

隣人の打ち手は参考になる。成功したら自分たちもやればいい。
みんなが一生懸命、啓蒙しているので説明の手間がはぶける。
みんなが、顧客を教育している。などなど実はメリットがたくさんある。

トレンドの中にいると多少の失敗は許容されるし、成功した時のスピードが加速されるわけだ。
トレンドに乗るということは周りの力を自分のものとして使えるのだ。

「何一つわかっちゃいなくても腹をくくればなんとかなる。そしてどうせ全てはわからない。」

トレンドにのればいい、ただそれだけなのだ。

「市場黎明期の競合は、正確には同業他社と呼ぶべきだ」と芥川さんは補足した。

「対象となる顧客とその解決すべき課題が同じとき、競合になる」と付け加えた。


例えば、イベントレジストの真の競合は、シャノンやパイプドビッツであり、
ティクシィの真の競合は、ぴあ、イープラスといった具合になる。

むしろ、先行のガリバー企業が競合になるわけだから、それまではせっせとビジネスモデルを検証し、
スケール戦略を虎視眈々と狙うべきで、同業他社との足の引っ張り合いをする暇なんかないのである。



※)当記事はブルーオーシャンサミットの講義録です。

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