司法試験に合格するまでに費やす時間は10000時間と言われる。
そのなかでスクールの授業時間は500時間ほど。
つまり95%の時間が独学に費やされている。


ならば、授業の500時間よりもこの膨大な9500時間をイノベーションする方がビジネスになるのではないか。
そう思ってスタートしたのが「資格スクエア」だった。


「資格スクエア」は主に「士業」の資格試験対策の動画学習をメインにおいたオンラインスクールとしてスタートした。
ただ、それだけだと「リアルの授業の劣化コピー」にすぎなくなる。


そこでフォーカスされたのが、冒頭に述べた「独学時間の効率化」である。


これは鬼頭さんの20年前の原体験があったという。


当時、四谷大塚の「開成コース」にて、とんでもない優秀な連中を目の当たりにしたとき、
「こいつらと同じ時間を同じように使っても太刀打ちできない。」と思ったという。
これが転機となって、試験対策や勉強の仕方に自分なりの工夫をするようになり、そのメソッドが「資格スクエア」に生かされている。


とはいえ、「資格スクエア」を作るに至った経緯には、2つの職をはさんでいる。


大学卒業後は、まず弁護士事務所に務めた。
弁護士の仕事は経営者にアドバイスをしても断言はしない。
「御社の経営判断で決めてください。」という逃げをするしかない。
自分たちが「経営」を知らないゆえの「もどがしさ」を感じたそうだ。


次に勤めたは投資ファンドだった。
そこで多くのベンチャー見ることによって、起業の憧れが湧いてきたという。


同僚とビジネスアイデアを議論した結果、

・人のためになっていると実感できるか?
・自分の得意分野か?
・市場があるか、そのトレンドが向いているか。

という絞り込み条件を経て、「資格スクエア」に至った。



ある時、広告費を当たり前のように使っていて「流れていく」感覚を覚えた。


獲得コスト以上の利益を出せばいいわけだけど、この広告費で何が残るんだろう?
大手に広告費で負けるわけだから、小さき者が勝つための戦略とはなんなんだろう。


そこで辿り着いた答えは、「インターネットビジネスの要諦はCPAが下がっていく仕組み」という気づきだった。
クックパッドが、楽天レシピの猛追をかわしたのも、こつこつと投稿数と信頼を集めた結果であると分析した。


そこで生み出されたのが、独習ツール「資格スクエアクラウド」であった。


・テキストの区切りごとに「Q&A」の設置。
・自分の単語帳と、みんなの単語帳の共有。


など、今後は受講生同士の知恵をかき集めることで、「定着」や「効率」をあげ、それが資格取得実績になり、
それが「ブランド」となって、結果的にCPAを下げることを目指しているわけだ。



このように、「資格スクエア」は鬼頭さんの原体験と、運用での「気づき」が見事にドッキングをして、
「CPAを下げるビジネス」に向かっているのだった。



※)当記事はブルーオーシャンサミットの講義録です。

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