「熱い想いを持っても、それを言語化、数字で表現、つまり可視化をしなければ意味がない。
逆に、これが共有できれば、資金も人材も獲得できる。」と五嶋さんは語った。
その事業の可視化に必要なツールが、
1.事業計画書
2.業績&数値計画書
3.資本政策(融資の場合は長期資金計画)
である。
まず事業計画書に書くべきことは下記の通りだ。
1.事業の目的(課題設定)
2.会社の目標、ヴィジョン
3.経営メンバー
4.サービスの概要
5.成長戦略、成功戦略
6.市場
7.業績&数値計画
8.資本政策
そのときに気をつけるのは、事業計画書は一人歩きすることが前提でつくるということ。
投資家の意思決定機関やステークホルダーの間を「自分なし」で渡り歩くわけだから、ピッチのプレゼン資料とは異なるのだ。
次に業績&数値計画書に書くべきことは下記になる。
1.開発・事業スケジュール
2.数値計画(利用者数、課金者数、継続率など)
3.売上高
4.支出
5.利益
6.現金残高
業績&数値計画書は「成長のストーリー」を言語化+数値化したものである。
なぜ売上が増えるのか?→これをやるからだ。→やることを費用計上
できた結果を数値計画に反映
この繰り返しを織り込んでいく。
ここにおける全ての数字においては、比較対象をつけることが重要だ。
例えば競合、類似サービスのKPIなどを参考にして、根拠づけていく。
最後に資本政策で考えなければいけないことは下記の通りである。
1.ファイナンスの時期
2.ファイナンスの額
3.外部に渡すことができるシェア
4.株主の顔ぶれ
5.ファイナンスのスケジュール(3〜6ヶ月程度を要する)
6.ファイナンスの意味(マイルストーンを超えられる額を調達し、その目的を明確にする)
・株を分けるのは血を分けるのではない、肉を引きちぎられると思え。
・3年で5倍、5年で10倍程度の株式価値の上昇を織り込む。
などのアドバイスもあった。
以上、この3つのツールは、補完・依存関係にあるため、
3つのツールを行ったり来たりしながら3つの計画を練り上げていくことになる。
「投資家は、その会社のどの不確実性のリスクを取るのか?」
「成功に必要な要素はなにか?」
この2つが明確になっていれば投資判断ができる。
つまりはそれを可視化するのがこの3つのツールだということになる。
また事業が成功した「その先」にある世界を見せることも重要だと五嶋さんは指摘した。
イーロン・マスクの打ち上げロケットの着陸失敗の共有はまさに「ビジョンの可視化」だと言う。
あれを見たら、応援したくなるわけだ。
起業家として実現したいビジョンを共有、そのスケールがでかければ相手はワクワクするのである。
五嶋さんの講義、最後の一言は大山倍達の言葉だった。
「金を失うことは小さなことである
信用を失うことは大きなことである
勇気を失うことは自分を失うことである」
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