「流行りそうなサービスを考え、それを簡単に説明してください。」
IT道場では、サービスアイデアを一言で言って、参加者に「アリか無しか?」を問う、
「アイデア出し大喜利」をやっています。
参加者の過半数の挙手をとれば合格で拍手喝采があがるわけですが、打率は1割といったところです。
ざぶとん1枚が1つもとれない日があります。

本当はいいアイデア(市場があるとか類似サービスが成功している)でも言い回し方や言葉の選び方がわるいと拍手はおこりません。
それだけキャッチコピーを人に伝える難しさがわかります。
NGパターンでもっとも多いのは言い切らないことです。
「〜と思う。」とか、「あまり専門じゃないんですけど」とか逃げの口上をたれることです。
「〜なんですよね」とか同意をとろうとするのも「そんなにしらねえよ」というスキを与えます。
不要な言葉があると、いいサービスだと思わないわけです。
逆にまだアイデアレベルで検証がすんでるわけじゃないけど、
勢い良くしゃべられるとつられて「あ、よさそうだ」と手をあげることもあります。
私は「UIの最初の一歩はキャッチコピーだ」と言ってます。
広告や記事、誰かの口コミで伝えられた言葉がお客さんにとって最初のインターフェースだからです。
キャッチコピーが良いと、上記の媒介となっている人がその言葉を選びます。
どうしてもいいキャッチコピーが浮かばないようなサービスは、設計時点で他のキャッチコピーになるようなサービスに変えるべきです。口コミされにくいからです。前述の「シェアされる価値」が成立しづらいのです。
では、いいキャッチコピーとはどんなサービスでしょうか。
それは、
どんなターゲットに、
何の問題を、
どうやって解決するか。
ということが、聞いた相手が勝手に想像できるサービスです。
ここでのポイントは、聞いた相手がそう思うかであって、
自分だけひとりよがりに悦になってもうまくいきません。
客観的になるべきです。そこは冷静にさらっと言わないと説得力がありません。
先ほどのテンプレートにあわせても雑になります。
例えば食べログの場合、
飲食店を探している人に、
いいお店を調べられないという問題を
ユーザレビューを集めることにやって解決します。
と言われてもげん萎えピーナッツですよね。
レビューサイトなんだからわざわざターゲットを定義する必要もないわけで、
まわりくどいキャッチコピーは掴みが弱いわけです。
だから例えば、
60万店舗の飲食店をランキング!
ユーザ参加型のレビューサイト!
といえばいいわけです。
ユーザ参加型なんだから広告じゃないんだなとか、想像できるわけです。
それに対してレッティだったら、私はこう友人に説明します。
食べログは匿名ユーザのクレームのはけ口だけど、
レッティは友人のお気に入りの店リストがわかるよ。と。
このように、どう口コミして欲しいかに狙いをさだめてキャッチコピーを考えると、
いろいろな切り口が見えてきます。
というわけで、IT道場では、
例えばキャバクラにいって、こんなサービス作ってるんだとキャバ嬢に紹介したら、
えーそれ、すごい。隣のお客さん、こんなサービス作ってるんだってって口コミしてくれるか?
という観点でキャッチコピー(サービスアイデア)を考えてくださいと言ってます。
話が長くてもダメ。わかりやすくないとダメ。
それがあったら便利だねと言われそうじゃないとダメ。
それをまた別の人に言いたくなっちゃわないとダメ。
というわけです。
自分の作ったサービスがあれば、実際にキャバクラにいって、
キャバ嬢にを紹介してみましょう。
向こうも接客業だから、「すごいね」ぐらいは言ってくれるでしょう。
でもそれで会話が終わりなら、そのサービスは脈なしかもしれません。
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