国内のスマホゲーム市場は飽和期に突入している。
「開発費以上にプロモーション費用がかかる」と森尾さんは言う。
もはやブーストは効きにくくなっている。
事前登録や、ゲーム媒体へのネタ提供、テレビCMなどなど、
オーガニックユーザ(インセンティブ目的ではないユーザ)を増やすための、
プロモーションを丁寧にやっていかなくてはならない。
かつて、ニッチなゲームを出せば、それを待っているユーザが盛り上げてくれることもあったけど、ヒットの確率が低下している。
S級のIPライセンス物も量産されすぎて事業性も低下している。
もはや本質的な面白さ勝負とプロモーションの体力勝負となっている。
こんな状況だから「いまからゲームを作るのは辞めたほうがいい」と森尾さんは何度も指摘した。
「それでもやりたい人が集まっているのがゲーム道場だから」といって、
ゲーム会社の設立にあたっての大切なことを述べてくれた。
まず重要なのは「どこの誰とやるのか」が重要で、これが失敗すると「後戻り」できない。
事務所については、ベンチャーあるある話で、
トイレが1つで男女兼用だと女性がいやがり、
社員にトイレ掃除を指示するとモチベーションが低下するので社長がやることになる。
採用とマネジメントを考えると、マンションオフィスよりも間借りがいいと指摘した。
初期メンバー構築については、人の紹介が結局ベースになっており、
ふだんからの人脈構築が重要であり、実績のない会社は、媒体や人材会社経由では集まらないと覚悟する。
また、ゲーム会社間の業界内流動が激しいので、仁義をきる場面が必ずある。
他にも
・創業支援融資をとれないようじゃゲームなんかつくるな。
・マネフォかFreeeに一括せよ。創業期で経理を人に任す社長なんてありえない。
・創業者はお金無いのは当たり前。
・一本依存はやらない。複数のタイトルをまわす。
・一度任せたら、現場に口出さない。
・オープンなコミュニケーションを。陰口はいわない。いわせない。
などなど、独自の切り口の秘訣を話してくれた。
一番印象的だったのは「それでもやりたいんだったら、出来る限りの支援をする」という言葉だった。
あまりにもスマホゲーム市場が熾烈なあまり、もはや会社間の戦争というよりも、
最後はクオリティやスピードなどの「自分との勝負」になるので、
会社の垣根を越えたゲームクリエイター同士の協力関係が重要になってきているのかもしれない。
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