とかくオジさんになると、「ITリテラシー」という言葉をつかいたがります。

「ITリテラシー」とははウィキペディアによると、
「情報を自己の目的に適合するように使用できる能力のこと」だそうです。


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ITリテラシーの高い人から「アーリーアダプター」があつまり、
ITリテラシーの低い「レイトマジョリティ」まで波及するとそのサービスはヒットする。

みたいな使い方です。

ほんとにそうなんでしょうか。


その人の目的や興味によってその能力はいちじるしく変わります。


例えば私の場合、パソコンの設定が苦手です。
いや、やればできるんでしょうけど、面倒だから得意そうな人に聞きます。


最近はプロジェクターとPCの相性がメーカーやOSによってマチマチで、
他人が使っているウィンドウズの面倒なんて見てられません。


目的をなしとげたい気持ちが高ければ、人は意地でも使いこなそうとします。


どうしてもドラマをタダで見たいんだという人は、
デイリーモーション、ヨーク、パンドラ、B9DM、MioMioなど、
たくさんの動画共有サイトを探し当てます。
Youtubeには無いことは鼻からわかっています。


また変な広告にジャックされるから怖いんだという人も、
それをブロックするクロームアプリがあるということも知ります。

でも、こういう人が違う目的だと、例えばエロサイトは詳しくなかったりします。


事業のプレゼンなんかで、「ITリテラシーの低い人をうまく囲う」なんて表現をするひとがいますが、
これも本当にそうか?と疑いたくなります。


ググって探せない人を「ITリテラシーの低い人」と定義して、
それに対して「ソーシャルメディアで拡散すればいい」と解決策を出したところで、
「いや、twitterを使いこなすだけリテラシー高くね?」という意見がでそうです。

また、普段インターネットを使わない人を「ITリテラシーの低い人」と定義したら、
「ITリテラシーの低い人をうまく囲う」こと自体が難しいじゃないですか、となる。


もはや言葉のお遊びにしか使えない言葉であって、ちっとも議論や推考が深まらないわけです。
「twitterユーザをどうやって取り囲むか」というように、母集団に対する具体的なアプローチの議論が重要なのであって、そこにリテラシー議論を持ってくる必要はありません。


いや、むしろ、日本中のほとんどの人が「インターネットやスマホで色々出来そうだ」と知っているわけだから、
リテラシーは全員高いんじゃないかとさえ思います。すでにコモディティ化しているわけですから。



前例でいうと、どうしてもタダでドラマを見たい人に、どんなサービスを提供して、
どうやって知ってもらうか、でしかなく、その人の所謂「ITリテラシー」は関係ないわけです。


いまYotubeで多くのアーティストのライブ動画が見られます。
この情報を知らなくてPCを持たずにガラケーだけのオジさんにはサービスはとどきません。
おそらく海賊版やらDVDやらWOWOWの録画しか知らないんでしょう。
でもひとたび、そのオジさんがYotubeをしったら、スマホを買うことでしょう。

この人はスマホを持った瞬間にITリテラシーが高くなったことになるんでしょうか。


未成年のLINEユーザーの大半は、LINEで通話をするそうです。
Wi-Fiにすれば余計なパケ代のかからずに、通話料のチャージもかからないから親に怒られない。


こんな感じでWiFiは知ってるわけです。
Wi-Fi知ってるのスゲーなと思うわけですが、LINE乗っ取られを何かの手違いでやっちゃうわけです。


「ITリテラシー」をなんらかの「攻略方法を知る能力」とするならば、
そのサービスの善し悪しは、ユーザの目的を達成するために最適な攻略ツールになっているかでしかないのです。


最適であるならば、どうしても使いこなそうとするでしょうし、
おなじ母集団に口コミがされるでしょう。


そもそもターゲットの目的を達成できないのならば利用価値はありません。


「なかなかITリテラシーの低い人に波及できなくて」と言いたくなる状況なら、
「そもそもターゲットにしたい母集団の数が少ない」のかもしれません。
例えば、老人むけサービスであれば、スマホ所持率が少ないということです。


「どうやってITリテラシーの低い人に広げるの?」という問いをされちゃっている状況なら、
「誰にでもわかるシンプルなUIにしたらどう?」ってことを言われているのかもしれません。


いずれにしましても、おじさんが「ITリテラシー」という言葉をつかったとき、
それはどういう意図で使われているのか、いろいろ意訳してみる必要がありそうです。


てか、もう死語なんじゃないかな。







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