ゲーム道場2日目のゲスト講師はエイリムの高橋さん。
ブレイブフロンティアの開発秘話をうかがった。
企画を立ち上げた2011年の末頃、ちょうどカイブツクロニクルが流行っていた。
「こういうものもウケるんだ」とスマホゲームの可能性を感じたという。
ならば、本格的なRPGゲームもできるはずだというわけだ。
当時はウェブベースのガワネイティブといわれるゲームアプリも多くあり、フルネイティブゲームはまだ数が少なかった。
そこで、立ち上げメンバーの高橋さんたち3名はゲームの方向性を次のようにきめた。
1.ファンタジーRPG
2.ドット絵のキャラ
3.フルネイティブゲーム
こうしてブレイブフロンティアの原型がつくられた。
ところが2012年2月、ゲーム業界の根幹を揺るがす事件がおこった。
パスドラショックである。みんながこのスマホならではの革命的ゲームを絶賛した。
それ以降、スマホゲーム業界内では「パズドラみたいなゲームを作りたい」という衝動がおさえられず、パスドラシンドロームに襲われる人々やチームが少なからず存在した。
どうしてもパスドラを意識してしまう。
ブレイブフロンティアの立ち上げメンバーの間でも「メインゲーム部分はソリティアがいいかも?」というような検討も実際にされたという。
でも、幸いにして、この誘惑から逃れることができたのは、立ち上げメンバー3人が「自分が本当に作りたいゲームを作ろう」というメンバーだったからである。
こうして、ブレイブフロンティアは、ロールプレイングゲームらしい基本仕様に設計された。
RPGは攻略法がわかると、とかく事務的になりやすい。
「長く遊んでもらうにはテクニックが必要なゲーム性があること」
「スマホゲームで重要なのは操作がシンプルであること」
この2点についての解決のひとつとして寄与したのが、タイミングあわせる「スパーク」であった。
タッチパネルでの気持ちいい操作性を実現するには、とりあえず作ってみてダメだったら作り直すくらいの覚悟が必要だ。
ここで、デザイナーやエンジニアが、社内受託みたいになると心が折れてしまう。
なので、どんな職種においても開発チームのメンバーは「ゲームクリエイターである」という自負のある人でいて欲しい。
みんながゲームを作りたい人で、たまたま適正な役割がデザイナーだったり、エンジニアなのである。
最後に高橋さんは「皆さんはなぜゲームを作りますか?」という問いをなげかけた。
完全オリジナルのゲームを出してトップセールスに入ってきた人たち。
例えば、
パズドラの山本さん。
モンストの岡本さん。
エイミングの椎葉さん。
チェンクロの松永さん。
こういった人たちは、大規模な市場がなくても、ゲーム業界が落ち目だと野次られても、たとえ儲からなかったとしてさえも、自分の作りたいゲームを作り続ける人たちだと思う。まさにゲーム作りを人生にしている人たちだ。
こういう人たちとも戦わなければいけない。
ゲームはエンターテイメントの一つ。自分の作った作品が、たまたま大勢の人に評価されたらヒットになる。当てようと思って当たるものでもない。
物事を始める動機に、正義も悪もなく、べき論があるわけでもないが、
まず、自分の中に作りたいものが本当にあるのか?
まず、自分の中に作りたいものが本当にあるのか?
自然に沸き上がってくるものがあるのかどうか?
を改めて見つめ直してからでも、取り組むのは遅くないと思う。
を改めて見つめ直してからでも、取り組むのは遅くないと思う。
もし、「自分が本当に作りたいゲーム」があるのであれば、市場の成熟や過当競争などの外的要因はクリエイターには関係ない。
エンターテイメントのチャンスや可能性は、そんな杓子定規なものの中で割り切られるほど甘いものでもなければ、つまらないものでもない。
※)当コラムはの講義録です。
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