前回は、死に場所に集まった武士たちのお話をしました。
いまは、そう簡単に死ねませんので、これを「大一番の場所」という言葉に置き換えて考えてみます。
大一番といえば、甲子園、オリンピックみたいなスポーツの場が考えられますね。
まさに今後の一生を決める「大一番」です。
私にとって、大一番は「モバイルインターネット」でした。
当時、日本で唯一優れているといえば、日本の携帯電話でした。
なにせインターネットが使えますからね。
携帯電話の所有者はみんなメールアドレスを持ってます。
当時、日本はもっともインターネットユーザをかかえた、超先進国でした。
世界で戦うには、「このモバイルインターネットしかない」と思いました。
というわけで「粋な勉強会(いきべん)」という松下村塾的な勉強会をはじめたわけですが、
3年で3000名以上が参加しました。これも同じ魂(志)が引かれ合ったのでしょう。
確かに大一番で、身近な人からどんどん成功者が生まれました。
その次の大一番が「スマートフォン」です。
スマートフォンやそこに乗るサービスは残念ながら日本は残念なものが多いですが、大一番にはかわりません。
私はiPhoneを選びました。
Appleの時価総額がマイクロソフトを超え、世界一になった日、私はサンフランシスコにいました。
WWDCという、iPhoneアプリ開発者の祭典に来ていたのです。
ウインドウズ世代の私から見れば、びっくりな出来事です。
でも、すでに私は日本でたくさんのiPhoneアプリ開発者と出会って来たので、不思議とは思いませんでした。
私がはじめたiPhoneアプリ開発スクールには1000人以上の受講者がやってきました。
「思い思いのアプリをつくって、世界に売る」という夢は人々の心を引きつけました。
魂のゆさぶるサービスがあれば、人はこぞってやってくるということを知りました。
i-modeの時は、知る人ぞ知る成長市場で、就職に溢れた私のようなならず者や、2流商社をやめたようなならず者、一流企業でもならず者が、頑張っていたように思います。
ところが、スマートフォンとなると、一般の素人から、一流企業のエリートまで、なんらかのビジネスをやろうと、こぞってやってきたのです。
この生態系を作ったスティーブ・ジョブズという人物はとてもすごい人物でした。
なにせ100万人以上の開発者の心を奪ったのですから。
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