あるアプリが大ヒットすると必ず誰かがヒットの分析をしたり
開発者自らが解説したりするがそのほとんどが故意ではないウソで塗り固められている。
その大ヒットアプリの開発者がヒットを連発していないならば
単なる一回のラッキーヒットの後付け理論でありさも正しいかのように言っているだけなのだ。
私たちは200本のアプリを作りいくつかは大ヒットを経験した。
それは神のみぞ知る確率論でしかないことがわかった。
逆におおよそヒットするための十分条件というのもわかった。
●ヒットするための十分条件
1.強烈な記憶に刺さる世界観
カジュアルゲームの先駆けとなった「ちゃぶ台返し」は、日本の誰しもが心にやきついている星一徹の世界観がダウンロードを後押しした。
2.強力なライバルの存在
横スクロールの先駆けであった「カンフーランナー」は開発者が「ラインランナー」の練習のためにアプリを作ったそうだ。
過去のヒット作のコンセプトはすでにユーザの間で理解されているものなので用途が想起しやすいのである。
おおよそ、この2点ぐらいしかヒット要因とされるものはないと私は確信しているが、
若干、例外というか確実に当たるプロモーション手法もかつてはあった。
3.自作アプリが総合5位以内に入る大ヒットで自社広告的に他アプリを宣伝する
クローバゲームズやココロビットは、大ヒットのアプリがでると軒並み他の自作アプリも総合50位以内にあげてくる。
これは簡単なことだ。5位ぐらいに入るとデイリーで3万ダウンロードぐらいあり、デイリーユニークで10万人が楽しんでいることになる。
そうすると100万PVぐらいはあり、自社広告が2%ぐらいなので2万クリックは作れる。
2万クリックを買うとなると日本では20万円くらいかかるわけだが、
それを3日間まわせばゲームカテゴリー25位くらいは狙えてくるのだ。
大ヒットしたアプリがありそのゲームもランキングを上昇しているのだからユーザは「これも面白い」と思う環境がそろっていることになる。
人間は面白いもので一度まわりがその人をスターと認識しだすと自分もその人がスターだと思ってしまう。
「でもこのゲーム、本当は糞だよね」といったら
「アプリ内容をわかって落としているくせにお前こそ糞だ」といわれるのが怖くなってしまう。
むしろみんなで「これ面白いよね」といった方が日常のコミュニケーションがはかどるのだ。
しかし、ひとたびその人気が陰るとあら探しがはじまり
その人の全てが駄目だというレッテルが貼られる。
ホリエモンの事件は良い例で、まさにそういう現象がおこったのである。
逆にフジテレビがちょうどバッシングされたときにアプリのレビュー欄で「ウジテレビは消えろ」だとか「朝鮮人は去れ」といったレビューにお見舞いされるわけだ。
このようなユーザ心理のメカニズムをうまく活用するのであれば、
大ヒットしたときには他の自作アプリを宣伝しまくれということである。
個人開発者は大ヒットすると慢心しがちだ。これで当たったのだから、こんなもんでいいという線を作ってしまい、その路線で大量生産をくわだてる。
しかしユーザはいずれ飽きてくる。
この魔のギャップはまさに我々も長い停滞期を経験した。
2011年の我々はたいしたスキルでもなくてもできるゲームを量産してはユーザの冷めた目を痛感した。
全くヒットがでないので我々は有名タイトルのゲームシステムを研究した。
ゲームシステムの模倣作業を通じて色々なエッセンスを習得した。
時には劣化模倣アプリだと失笑を買った。
またオリジナルエッセンスを加えればユーザも満足してくれることもわかった。
このような変遷を経てユーザに受けるゲームパターンを習得した。
まるでクラプトンやジミヘンドリクスの奏法を真似ては実践するようにいろいろ手数を覚えたのである。
このようにして、我々が日々研究しているゲームパターンの定石にキャッチーなアイデアをぶつけて、ヒットの確率を高くしたのだった。
でも、やはり売れないものは売れない。やはり確率論ではある。
ただ、ユーザを飽きさせないように常に違うアプローチを開拓しなくちゃいけないことだけは
痛い程思い知らされたというわけである。
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