ケータイ国盗り合戦はケータイユーザらしくない利用層だという。
25万人のうち男女比は6:4。都心中心。
35歳以上が3割。7割がビジネスマン。電車利用者が6割。


6割が1週間以内に利用しており、55%のひとが、
このゲームのために出かけている。


そもそものスタートは地図サービスが陥る
「便利の追求」からの脱却だった。

地図は使えてナンボから楽しく使おうという転換を図りたかった。
早く目的地にナビゲーションしようと凌ぎを削っている中での、


「遠回りしようぜ」というアンチテーゼ。


そもそもモバイルはヒマつぶしという大切な要素もあることを気づいたら、
その結果、あまりケータイサイトを使ってくれないビジネスマンにヒットした。


従来のジオメディアは、地図をトリガーにしており、
あるところまでは無料にしながら泳がせて、
切羽詰まったときにしょうがなく使うという「ユーザ追い込み型」か、
用意周到な利用者がいざのために登録しておこうという「保険型モデル」だった。


罠をかけて使われるまでじっと待つ、いわば消極的なマーケティングだ。


ユーザが積極的に使う、運営側も積極的にユーザに働きかける、
そんなサービスは、「位置情報=思い出を共有する」という概念で開花した。


生きている証と位置情報はひもづきやすい。
なぜなら人間は動く動物思い出は土地と必ずリンケージしている。
 


8HrapQdp




今後のジオメディアはライフログとどうリンケージするか、
時間と空間と個々のひと、そしてそのライフログが重なるところ(彼らが出会う場所)、
ここに醸し出される情念をうまく表現するところにヒントがある。


国盗り合戦は、日本人のハートに火をつけるのは何かを追求し、
そのポイントを「戦国武将=劇的なドラマ」と「コレクター性」と決めた。


気をつけたことは、
位置情報を送っていることを意識させない」ということ。
ちょっとでも難しく感じるとユーザは逃げる。


さらに、おでかけしなくても毎日アクセスできるよう、
「じぃの言葉」と「戦国クイズ」を用意した。


どうやったらクチコミになるかというのも意識した。
ブログネタを提供しようという考えで、情報を発信している。


事実、ユーザの半分がクチコミである。


クチコミで拡大しているサービスであるから、
良い話も悪い話も伝播が早いことを痛感するという。
ユーザの反応にも敏感に答えることも重要点として加藤さんはあげた。


現状、同サービスは、広告ビジネスだ。
しかも、ユーザを実際に動かす広告ビジネス。
ここにケータイサービスの新たなポテンシャルを感じる。


ぐるなびタッチの出稿例では、
7600人が3万タッチをはじき出し、
「このお店はタッチないんですか?
という問い合わせを受けるは初めてだと広告主を喜ばせている。


JRの15仏閣の訪問キャンペーンでは、
4600人の参加で662名が到達。
平均112キロメートルの電車移動をさせた。


25万人とは、モバイル広告メディアとしては決して大きい数字ではないが、
サイトに対してアクティブで、ユーザ属性が消費能力あれば、
これだけインパクトがあることを物語っている。


100万人規模の同質のメディアができると、えらいことになるだろう。


加藤さんがあげた今後の課題が、
まさに今後の勝ち組ジオメディアのポイントになるだろう。


1.ユーザがどこかに行きたくなるような広告メディア。
2.非日常から日常へ。
3.繰り返し挑戦したくなる。


モバイル、ケータイ、その言葉の意味を持つサービスはまだまだ少ない。
位置情報と絡めたサービスこそがモバイルサービスの新時代なはずだ。


ぜひ、この分野にどんどん参加していただきたいものだ。

(2009年7月29日再録)



【1話から読める20話完結のステップメール】
「なんとかサービスはまわっているんだけど、劇的に利用者が伸びない」
「リアルのビジネスをしているんだけど、ITを駆使して集客を改善したい」