タクシー業界は、2兆3000億円の市場と言われ、
25万台のタクシーが年間25億人を輸送している。
これは陸上交通機関の8%である。
この業界は景気悪化に過敏な体質であり、また景気上昇時にも恩恵が少ないと言われる。
運転手の平均給与は330万円あまりで、実車率は42%という不経済も課題になっている。
では、旅行業界はどうだろうか。
市場規模は1兆1000億円で、この10年で1000億円が消えている。
もっとも深刻なのは若者の旅行離れで、今後は巨大マーケットである団塊世代を
いかに取り込むかがキーポイントとなる。
こんな中、ジオメディアがこの衰退する2つの業界に光をあてた。
前者は「タクトモ」。後者は「コロプラ」である。
後者から説明すると、「じゃらん×コロプラバスツアー」のように、
旅行会社と地域企業とのジオメディアを活用したコラボレーションが生まれた。
このバスツアーの売りは、さまざまな土地をまわってゲーム内通貨をためるとともに、
その地方限定のお土産アイテムを購入できるというもの。
すでに、来店促進サービス「コロカ」の提供先が33店舗に拡大している。
さて、「タクトモ」の話にもどそう。
このサイトは同じ方面に変える人を募集して「相乗り」して帰宅できるというもので、
タクシーを呼ぶことができ、運転手の評価をシェアすることができるというサービス。
なんと3日で作ってサービスイン。現在は14000人の登録ユーザをもつ。
はじめはただの掲示板にすぎなかったが、
カスタマイズをするたびに、プレスリリース配信、徐々にマスメディアが取り上げたという。
運転手の方は運転手同士のクチコミで1000人まで広がっている。
岩崎さんは「トレンドは自分でつくれる」と実感したという。
ネット業界の人にはあまり馴染みの無いPR手帳というものがある。
ここには各プレスの窓口が書いてある。
一回のプレスに120通を配信した。
また国会の記者クラブにも通った。
ここは国会お抱えの新聞社の人たちが集まっており、
ひまな記者にちらしを配れば、担当部署にまわしてくれる可能性もある。
なんと無料だ。
メディアは他社メディアを見てネタを探すから、
1回どこかに取材されれば、またどこかのメディアに取り上げられる可能性があるのだ。
こうして、テレビ、雑誌、新聞、ラジオなどにも取り上げたというわけである。
サービスを運営する中、格安のハイヤーや、高級車の利用など
「あいのり」以外のニーズもわかってきた。
こういったサービスラインナップを増やすことも、
メディアに飽きられないコツと言える。
タクとものビジネスモデルは、送客の成果報酬を運転手からいただくというもの。
当然1回の成果報酬がネット上の会員獲得よりも高いものになる。
現在、「タクとも」では運賃の5%をメディアにバックするという
「タクともAPI」でジオメディアの参加を促進している。
自社サイト内で「タクとも」と同じ運転手を呼ぶ機能を持たせることができるのだ。
オンラインのアープよりも、リアルの消費活動の中でのアープが高いというところに注目すれば、
ジオメディアは色々と活路が見いだせる。
事実としてリアルの既存業界がジオメディアに注目している。
ジオメディアの企画のポイントはどの業界を救えるのかという点である。
いま、岩崎さんは、「バーチャルオーナー制度」という構想を考えている。
そこの土地のバーチャルオーナーになれば、
そこの位置情報アクセスから産まれるサイト収益のいくらかをバックするというもの。
バーチャルの土地の権利自体を売るこることで、
株式とはちがった、資金調達ができる。
ジオメディアは、こういった既存ではありえなかった形のビジネスモデルが可能になってくるのだ。
<2010/1/22再録>
【1話から読める20話完結のステップメール】
「なんとかサービスはまわっているんだけど、劇的に利用者が伸びない」
「リアルのビジネスをしているんだけど、ITを駆使して集客を改善したい」
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